医師が解説!症状・治療ガイド

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⑩ 心臓病家系の人が気をつけるべき検査と予防策

心臓病は、遺伝的な要素が強い疾患のひとつです。ご家族(両親、兄弟姉妹、祖父母)に心筋梗塞や狭心症、不整脈、心不全の既往がある場合、ご自身の心疾患リスクも高い可能性があります。しかし、「家系だから仕方がない」と諦めるのではなく、早めの対策と予防に取り組むことで、発症リスクを大幅に下げることができます。本記事では、心臓病家系の方が受けるべき検査や予防策について、循環器専門医の立場から詳しく解説します。

監修:小船井光太郎(循環器専門医)

【心臓病家系の人が特に気をつけるべきポイント】

  • 心筋梗塞や狭心症を家族が50歳未満で発症している場合(「家族性高コレステロール血症」や「遺伝性の動脈硬化症」の可能性あり)
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症が複数の家族に見られる場合
  • 不整脈や突然死の家族歴がある場合
  • 肥満や喫煙などの生活習慣リスクが家族内で共通している場合

【受けるべき検査】

  • 血液検査(脂質・血糖・腎機能・心筋マーカー)
    LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、HbA1c、BNPなどを測定し、リスクを数値化。
  • 心電図検査
    ・不整脈や心肥大の有無を確認。
  • 心エコー検査
    心臓のポンプ機能、弁の状態、心肥大の有無を評価。
  • 頸動脈エコー検査
    動脈硬化の進行度をチェック。
  • ABI/CAVI(血管年齢検査)
    血管の硬さ、詰まり具合を測定し、全身の動脈硬化リスクを推定。
  • 冠動脈CT検査
    冠動脈の狭窄やプラークを非侵襲的に評価。

【予防策のポイント】

  • 定期的な検診の受診(年1回以上の健康診断+必要に応じた循環器精密検査)
  • 血圧、血糖、コレステロールの管理(目標値を定めるために医師と相談)
  • 禁煙は必須です、適正体重の維持(BMI22前後を目安に)
  • 有酸素運動の習慣化(週150分を目標にウォーキングや水中運動など)
  • 減塩・バランスの良い食事(1日6g未満の塩分、野菜・魚中心の食事)
  • ストレス管理、睡眠の確保(自律神経のバランスを整える)

【当院でできること】

榊原サピアタワークリニックでは、心疾患の家族歴がある方に対して、リスク評価から定期的な検査、個別の生活指導までトータルでサポートしています。「気になるけれど何から始めればいいか分からない」、「本当に必要なことだけしたい」という方には、まずは診察とリスク評価を行い、必要な検査と生活改善の優先順位を明確にし、治療につなげます。必要に応じて、信頼・実績のある連携医療機関への紹介や高度医療のご提案も行っています。

【まとめ】

家族に心疾患の既往がある場合、「自分もいつか発症するのでは」と不安になるのは当然のことです。しかし、正しい知識を持ち、早めに検査を受け、生活習慣を見直し必要な治療を受けることで、『間違いなく』 リスクは最小限に抑えることができます。大切なご自身の健康を守るために、まずは一歩を踏み出しましょう。当院では、皆様の健康を長期的にサポートできる体制を整えておりますので、ぜひご相談ください。

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【循環器外科】

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