⑨ 血圧管理の重要性とクリニックでできること
血圧は「健康のバロメーター」とも言われ、私たちの体の状態を映し出す重要な指標です。特に高血圧は、自覚症状が乏しいまま進行し、放置すると心筋梗塞や脳卒中、腎不全といった命に関わる重大な病気を引き起こすリスクが高まります。この記事では、血圧管理の重要性と、当院で提供できる具体的なサポート内容について詳しく解説します。
監修:小船井光太郎(循環器専門医)
【なぜ血圧管理が重要なのか?】
血圧が高い状態が続くと、血管の内壁に強い圧力がかかり、少しずつ傷ついていきます。この「血管のダメージ」が動脈硬化を進行させ、心臓や脳、腎臓の血管を詰まらせる原因になります。特に日本では、高血圧は脳卒中の最大の危険因子とされており、年間約10万人が脳卒中で亡くなっています。また、心不全や腎不全の発症リスクも高まるため、日頃からの管理が欠かせません。
【目標血圧値】
75歳以下の方の場合、目標血圧は以下の通りです(日本高血圧学会ガイドラインより)。
- 診察室血圧:収縮期血圧<140mmHg、拡張期血圧<90mmHg
- 家庭血圧:収縮期血圧<135mmHg、拡張期血圧<85mmHg
ただし、糖尿病や腎疾患、脳血管疾患の既往がある場合は、より厳格な管理が求められます。
【当院でできる血圧管理サポート】
榊原サピアタワークリニックでは、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせたオーダーメイドの血圧管理を提供しています。
- 家庭血圧の測定指導(正しい測定方法、記録方法の指導)
- 24時間血圧測定(ABPM)の実施(血圧の日内変動パターンを把握し、適切な治療に活用)
- 食事指導(減塩、適正カロリー、アルコール制限の提案)
- 運動処方(有酸素運動の種類や頻度、強度のアドバイス)
- ストレス対策や睡眠指導(心理的要因の影響も考慮)
- 薬物治療の適正化(ARB、ACE阻害薬、ARNI、Ca拮抗薬、利尿薬、β遮断薬の使い分け)
【血圧管理のポイント】
- 血圧は「朝起きてすぐ」「夜寝る前」に毎日測定し、変化を記録することが大切です。
- 体調が良くても自己判断で薬を中断しないこと。
- 季節や気温の変化によって血圧は上下するため、こまめな調整が必要です。
- 減塩のためには、加工食品や外食の塩分量に注意し、栄養成分表示を確認しましょう。
【まとめ】
高血圧は放置すると命に関わる病気を引き起こす可能性が高まりますが、日頃の管理でリスクを大きく下げることができます。当院では、患者様が無理なく続けられる血圧管理を全力でサポートしていますので、「一度しっかり相談したい」「自分に合った方法を知りたい」という方、また「一度薬を飲み始めるとやめられないのでは?」、「薬に頼るしかないのでしょうか?」などの疑問をお持ちの方も、ぜひお気軽にご相談ください。