医師が解説!症状・治療ガイド

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⑧ 狭心症のリスクチェック – どんな人が要注意?

狭心症は、心臓を取り巻く冠動脈が狭くなることで、特に心筋の酸素需要が上がる運動時に心筋に十分な酸素や栄養が届かなくなり、胸の痛みや圧迫感といった症状を引き起こす病気です。放置すると、心筋梗塞を発症し、命に関わる危険性があります。そのため、症状が出る前の「リスクチェック」を行い、早期に予防や治療につなげることが重要です。この記事では、狭心症のリスク因子、症状の特徴、必要な検査、当院での対応について詳しく解説します。

監修:小船井光太郎(循環器専門医)

【狭心症のリスク因子】

以下の要素を持つ方は、狭心症を発症するリスクが高いとされています。

  • 高血圧(血管への圧力が高く、動脈硬化を促進)
  • 高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加
  • 糖尿病(血管の炎症や障害を引き起こす)
  • 喫煙習慣(血管を収縮させ、酸素供給を低下させる)
  • 肥満(BMI25以上)
  • 家族歴(親族に心筋梗塞や狭心症の既往がある)
  • 加齢(男性45歳以上、女性55歳以上でリスク増加)
  • ストレス、睡眠不足、過労

【狭心症の症状】

典型的な狭心症の症状は以下の通りです。

  • 胸の中央が締め付けられるような圧迫感
  • 胸の痛みが左肩、腕、顎、背中に放散することがある
  • 症状は数分から10分程度で消えることが多いが、運動やストレスで誘発され、安静で軽快する(労作性狭心症)
  • 冷や汗や吐き気を伴う場合もある
  • 症状が長時間続いたり、安静時にも出現する場合は「不安定狭心症」や「心筋梗塞」の可能性が高いため、救急受診が必要

【必要な検査】

狭心症の診断には、以下の検査が有効です。

  • 心電図(安静時、運動負荷時)
  • 心エコー検査(心臓の動きや弁の状態を評価)
  • 運動負荷心電図(トレッドミルやエルゴメーターでの負荷をかける検査)
  • 冠動脈CT検査(非侵襲的に冠動脈の状態を可視化)
  • 心筋シンチグラフィ(血流低下部位を評価)

【当院での対応】

榊原サピアタワークリニックでは、症状の問診とリスク因子の評価を丁寧に行い、必要に応じて専門的な検査を行います。院内には最新鋭マルチディテクターCTも備えており、専門の医師・技師による冠動脈CT検査も行えます。検査結果に応じて、生活習慣の改善指導、必要時には抗狭心症薬(ニトログリセリン、カルシウム拮抗薬、β遮断薬など)の処方や、カテーテル治療の実績・信頼のある連携病院への紹介も行っています。

【まとめ】

狭心症は、ある日突然発症し、心筋梗塞へ進行することもあるため、事前のリスク評価と予防が何より大切です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を指摘された方、家族に心疾患の既往がある方、最近胸の違和感を感じる方は、ぜひ一度当院の循環器内科を受診し、専門的な評価を受けることをお勧めします。

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【循環器外科】

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