⑦ 動脈硬化を予防するための最高の食事と運動
動脈硬化は、日本人の死亡原因の上位を占める心筋梗塞や脳梗塞の根本的な原因であり、放置すると命に関わる重大な病気を引き起こします。しかし、動脈硬化は初期段階では症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまう「サイレントキラー」です。そのため、予防に力を入れることが健康寿命を延ばすためには極めて重要です。本記事では、動脈硬化を防ぐために今日からできる食事と運動の具体的なポイントを、循環器専門医の視点で詳しく解説します。
監修:小船井光太郎(循環器専門医)
【動脈硬化のリスクを高める要因】
まず、動脈硬化が進行する主な要因を理解しましょう。
- 高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加
- 高血圧
- 糖尿病
- 喫煙
- 肥満(BMI25以上)
- ストレスや睡眠不足
これらのリスク因子を複数持つ場合は、動脈硬化ハイリスクであり、特に予防と対策が必要です。
【食事でできる動脈硬化予防】
- 脂質バランスの改善
飽和脂肪酸(バター、ラード、肉の脂身)を控え、オリーブオイルや青魚に含まれる不飽和脂肪酸を積極的に摂る。 - 食物繊維を豊富に
野菜、海藻、きのこ類、豆類を意識的に摂取し、腸内環境の改善とコレステロールの吸収抑制を目指す。 - 減塩
塩分は1日6g未満を目標にし、加工食品や外食の塩分に注意。 - 血糖コントロールを意識
精製された糖質(白米、白パン、砂糖)を控え、全粒粉や雑穀、野菜中心の食事を心がける。 - 適正カロリーの維持
BMI22前後を目標に、摂取エネルギーを調整。
【運動でできる動脈硬化予防】
- 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、水泳などを週150分以上。
- 筋トレの併用:筋肉量を増やし基礎代謝を上げる。無理のない範囲で軽い筋トレを習慣化。
- ストレッチやヨガ:血流改善とリラックス効果が期待できます。
- 続けられる方法を選ぶ:無理な目標を立てず、日常生活に自然に取り入れるのがポイントです。
【当院でのサポート】
榊原サピアタワークリニックでは、動脈硬化リスク評価として頸動脈エコー検査、ABI/CAVI測定(血管年齢)を行い、必要に応じて管理栄養士による個別の食事指導や、医師による運動アドバイスを提供しています。「知識を行動に移す」サポートを大切にしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
【まとめ】
動脈硬化は「年齢のせい」だけではなく、生活習慣の積み重ねによって進行する病気です。今日からの一歩が、将来の健康を大きく左右します。できることから少しずつ始めて、動脈硬化を防ぐことが健康で充実した人生につながります。