③ 不整脈の種類と症状 – 『放置してはいけない危険なサイン』
不整脈とは、心臓の拍動リズムが正常ではない状態を指し、「脈が速くなる」「遅くなる」「飛ぶ」などの症状が現れることがあります。軽度なものは経過観察で済むこともありますが、命に関わる重篤な不整脈も存在します。この記事では、そんな不整脈の種類・症状・診断法・治療方針について詳しく解説します。
監修:小船井光太郎(循環器専門医)
【不整脈の主な種類】
不整脈は大きく3つに分類されます。
1. 頻脈性不整脈(脈が速くなる)
- 心房細動:脈がバラつき速くなる、高齢者に多く脳梗塞の大きな原因となる
- 心房粗動:心房細動に類似するが、一定のリズムを保ちながら速くなる
- 発作性上室性頻拍:突然速い脈が生じてしばらく続き、突然止まるのが特徴
- 心室頻拍:命に関わる重篤な不整脈、失神や突然死の原因にも
2. 徐脈性不整脈(脈が遅くなる)
- 洞不全症候群:高齢者に多く、一過性のふらつきや失神につながる可能性がありペースメーカーが必要になる場合も
- 房室ブロック:脈が途中で伝わらなくなる状態 重症度によりI度からIII度までに分類される
3. 期外収縮(脈が一拍飛ぶ)
- 心房性と心室性があり、重篤に至ることは少ないが動悸や不快感を訴える方も多い
【症状と受診の目安】
- 動悸、めまい、ふらつき
- 失神や意識消失(特に危険)
- 息切れ、胸の不快感
- 脈が飛ぶ・速い・遅いと感じる
これらの症状が見られる場合や、気になる場合は、循環器内科での精査をお勧めします。特に脈がバラつき速くなる、脈拍数が安静時でも100以上になることがある、気を失う、などの症状があった場合はすみやかな受診が必要です。
【診断と検査】
- 心電図(安静時)
- ホルター心電図(24時間記録)
- 運動負荷心電図
- 心エコー(心臓の構造評価)
- 心臓CT
- イベントレコーダーや植え込み型モニターの使用も一部で検討されます
【治療法】
- 経過観察、頓服薬処方など
- 薬物療法(抗不整脈薬やβ遮断薬、脳梗塞予防の抗凝固薬など)
- カテーテルアブレーション(原因部位を高周波で焼灼)
- ペースメーカー植え込み
- ICD(植え込み型除細動器)など重症例に応じた対応
不整脈は、放置することで命に関わる合併症(心不全・脳梗塞など)につながるリスクがあり、また治療は専門的で日々アップデートされてますので、循環器内科専門医に診てもらうことをお勧めします。気になる症状がある場合は、早めに専門医へご相談ください。