① 動悸・息切れが気になるときの受診のすすめ – 何科を受診?
「動悸」や「息切れ」は、日常生活で多くの方が一度は感じたことがある症状でしょう。これらが繰り返し起こる場合や、急に強くなる場合は、心臓や血管の病気が隠れている可能性があります。特に、循環器内科が関わる症状としての動悸・息切れは、放置すると重篤な状態に進行するリスクがあるため、適切な受診と診断が重要です。本記事では、動悸・息切れの原因となる疾患、受診のタイミング、初診時に確認すべきポイント、当院での診療の流れについて解説します。
監修:小船井光太郎(循環器専門医)
【動悸・息切れの主な原因】
動悸は「胸がドキドキする」「脈が速い」「不規則に感じる」などの自覚症状であり、息切れは「少し動いただけで息苦しい」「階段を上ると息が切れる」といった状態です。原因としては以下が考えられます。
- 不整脈(期外収縮、心房細動、心室性不整脈など)
- 心不全(心臓のポンプ機能の低下)
- 狭心症や心筋梗塞(冠動脈疾患)
- 弁膜症(心臓の弁の狭窄や逆流)
- 貧血や甲状腺機能異常
- ストレスや自律神経の乱れ
これらの中には、早期発見と治療が必要な疾患が含まれています。特に不整脈や心不全は、放置すると突然死や脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、軽視は禁物です。
【何科を受診すべき?】
動悸・息切れが主症状の場合、まずは循環器内科の受診をおすすめします。特に以下の場合は、早急な診察が必要です。
- 安静時にも動悸が出る
- 動悸が数分以上続く
- 胸痛やめまい、失神を伴う
- 夜間や横になったときに息切れが悪化する
- 階段を数段上がっただけで息が切れる
- 突然、脈が速くなったり遅くなったりする
【初診時の流れと確認ポイント】
当院では、初診時に詳細な問診を行い、以下の情報を確認します。
- 症状が始まった時期、頻度、持続時間
- 症状を誘発する状況(運動時、安静時、食後など)
- これまでの既往歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病の家族歴など)
- 現在服用しているお薬
- 生活習慣(喫煙、飲酒、ストレス状況など)
必要に応じて、心電図検査、胸部レントゲン、ホルター心電図(24時間心電図)、心エコー検査、血液検査(BNP、貧血、甲状腺ホルモンなど)を行い、診断を進めます。 特に血液検査のひとつであるBNP(またはNT-pro BNP)は心臓に負荷がかかると鋭敏に上昇するホルモンであり、心不全・不整脈の正確な診断には欠かせないものとなってます。
【まとめ】
動悸・息切れは、必ずしも重大な病気とは限りませんが、「年齢的に心配」「一度しっかり調べたい」と感じたら、ぜひ循環器内科を受診してください。当院では、循環器専門医が患者様一人ひとりの不安に寄り添いお話しを聞き、資格を持った専門の技師が検査を行い、正しい診断に基づき診療を提供しています。心配な症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。