ペースメーカー植え込みとペースメーカー外来
ペースメーカーは、心臓の拍動が遅くなる(徐脈)場合に使用されるデバイスで、心臓に微弱な電気信号を送り、正常なリズムを維持します。ペースメーカーは徐脈に関連する失神や倦怠感、息切れなどの症状を改善し、患者の生活の質を向上させます。
適応症
- 洞不全症候群
心臓の調律の維持が正常に機能せず、脈が極端に遅くなる、あるいは突然止まるなどでめまい、失神など脳虚血症状を起こす場合にペースメーカー植え込みが行われます。 - 完全房室ブロック
心房と心室の間の電気信号が途絶え、心拍が極端に遅くなる場合にペースメーカー治療が適用されます。 - 徐脈性心房細動
心房細動でも房室ブロックを合併すると脈拍が遅くなるためペースメーカー植え込み手術の適応となります。また脈が速く薬物治療により適切な心拍が維持できず徐脈をきたす場合もペースメーカーが必要です。
治療・管理
- 植え込み手術
ペースメーカーは外科的に胸部に植え込まれ、電気信号を送るリード線が心臓に固定されます。通常手術は局所麻酔で1~2時間程度かかり、1週間程度の入院が必要です。 - 定期モニタリング(ペースメーカー外来)
ペースメーカーの電池寿命や機能を確認するために、数ヶ月ごとに専門外来にてプログラマーという検査機器を用いたペースメーカーチェックが必要です。 - 遠隔モニタリング
最近のペースメーカーや植え込み型除細動器には遠隔モニタリング機能が備えられており、自宅に取り付けた受信装置から機器の状況が定期的にインターネット経由で医療機関に送信されます。次の対面受診までの間も状態を遠隔で管理できるシステムです。当院でも実施しています。